2017年03月01日

医薬品に関する情報伝達と情報収集を行う仕事

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MRの仕事内容は、自社製品の「情報伝達」と「情報収集」です。医師に少しでも多くの自社製品を処方してもらえるように病院や診療所に訪問して情報提供をしています。高い倫理観に基づき、患者の立場から「薬物治療のパートナー」として医療従事者と共に医療の一端を担い、社会に貢献することにあることが求められています。

■医薬品を扱う仕事だが、文系出身者が多い業種

MRの正式名称はMedical Representativeです。訳して医薬情報担当者とされています。元々はアメリカで生まれた言葉です。仕事内容は、自社製品の「情報伝達」と「情報収集」です。医師は、それらの情報に加えて、独自に調査した情報などを総合的に判断して、患者さんにとって、もっともいい薬を処方しています。

出身分野をみると、文科系出身が最も多く約5割、次いで、理科系出身が約3割で、薬剤師出身の占める割合は約1割を前後しています。一方、女性は2000年以降年々増加しており、現在約1割に達しています。

日本では、大部分は製薬企業に所属していますが、製薬企業のプロジェクトごとに期間を限定して派遣される、CMRも存在します。

■主な活動拠点は病院や診療所です

実際の活動としては、医師に少しでも多くの自社製品を処方してもらえるように病院や診療所に訪問して情報提供をしています。医師とは頻繁に面会しますので薬の話だけではネタ切れしてしまいます。

世間話をしたり、最新の学会発表情報や文献を届けて紹介したり、患者さんの治療方法を一緒に考えたりします。また、自社製品の説明会を月に1、2回行います。病院や診療所、調剤薬局で行う事もあります。説明会は十分から十五分くらいで、会社の用意した説明会用の資料(パワーポイント)を液晶プロジェクターで投影して説明します。

説明した後にはだいたい質問されるので、それに答える準備もしておく必要があります。また、昼時に開催する時には弁当とお茶、夕方開催の場合にはケーキなどをお持ちします。おいしい弁当を選ぶことも腕の見せ所です。

■医薬品の販売促進活動より大事なこと

仕事の内容は製薬業界における、医療従事者相手の営業職にあたります。ただし他業界の営業職とは異なり、メインの仕事は医薬品の販売促進活動ではないのです。医薬情報の提供や、集めた副作用情報のフィードバックが大事な仕事になってきます。

高い倫理観に基づき、患者の立場から「薬物治療のパートナー」として医療従事者と共に医療の一端を担い、社会に貢献することにあることが求められています。日本では単に製薬会社の営業職という見方が強いですが、欧米では医療チームの一員と認識されているのです。

医療業界の再編の進む昨今、良質なMRが製薬企業の評価にもつながることから、製薬企業各社は彼らの教育や質の向上にも注力し、情報提供やプレゼンテーションなどでの優劣を競っています。